2010/11/23、iOS 4.2(4.2.1)が正式公開され、また、それと同時にAppleTVもファームも4.1が公開されました。
これまでは開発者向けのiOS4.2を使っても、AppleTVが未対応であったため、AppleTVへ伝送できるのは、AirTunes同様、音声のみでした。今回のAppleTVアップデートにより、AirPlayでの動画伝送が可能となり、AirPlayとAppleTVの本領発揮です。
AppleTVのアップデートは「一般」メニューから「ソフトウェアをアップデート」を選択するだけの簡単操作。5分ほどで完了です。
AirPlay の操作性に関しては、様々ニュースサイトやブログで公開されている通り、「難しいことを意識することなく扱える」点が最大の魅力だと感じています。
実際AirPlayが実現している機能は、例えばDLNAでは随分以前から実現可能であったことではあるのですが、「レンダラという概念」や「各種機器の発見処理」、「再生可能フォーマットの相違」、「難しい文言によるユーザへの逐次確認」など、一般利用者には難しく感じるアプリケーションが多かったため、普及しているとは言い難い状況でした。今回のAirPlay登場を機に、DLNAでも使い勝手の良いアプリケーションが増えてくれると嬉しいと思います。
さてAirPlayの動画対応で気になるのは「iPadからHD動画をストリーミング送出し、AppleTVで受信すると言った処理が、果たして一般家の無線LAN環境で実用に耐えうるのか?」という問いです。
そこでiTunes Storeから「In the Shadow of the Moon」のHD版をレンタルし、実験してみることにしました。「In the Shadow of the Moon」は、iTunesのInfoによれば、画サイズは1280x720、ビデオコーデックはH.264で、Total Bit Rate は4437kbpsとなっています。
実験ネットワーク環境は802.11n、過去の計測では実測値で約60Mbpsの速度が出ています。
この環境でiPodのVIDEOアプリを使用し、AirPlayによりAppleTVへ動画転送を行ってみました。通常再生、早送り、早戻し、シークなど、各種操作を行ってみましたが、全く違和感は感じませんでした。まるでローカルのコンテンツを操作しているような安定性とスムーズさです。これならば十分に実用に堪え得るでしょう。
また、このコンテンツはレンタルコンテンツであるため、「レンタルコンテンツはAirPlayの伝送対象になり得ないのではないか」という懸念も、解消されることになりました。勿論、iTunes Storeで購入した動画コンテンツも、問題なくAirPlayで伝送することが出来ます。
なお、AirPlayは、VIDEOアプリなどの他にYouTubeなどでも利用可能です。但し、何れの場合でも、AirPlayで他機器へ動画転送を行っている場合には、手元の機器に動画は表示されません。
この「動画表示装置をボタン一つで自由に切り替えできる」という快適な環境を体験してしまうと、次はiPadやiPhoneがAirPlayターゲットになってくれれば、と思ってしまいます。これが実現すれば、iTunesに格納しているコンテンツを、同期手続きすることなく手元の機器で再生することができるようになるでしょう。
もしこれが世に出てくるとすれば、それは噂が続いているCloud iTunesが登場する時なのかも知れません。
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