2010/03/08

WHR-HP-G300N+WLE-2DAの実効速度検証(続WZR-HP-G300NHの実効速度検証)

先日のblogで、BuffaloのWZR-HP-G300NHに関する実効速度検証を行いました。結論は、
  • 私の環境に於いても、802.11n接続では802.11gよりも高速伝送を実現できるものの、電波状況などからその実力を安定的に発揮させるのはやや困難な場合がある
  • アクセスポイントを、オプションアンテナ対応のWHR-HP-G300Nに交換し、WLE-2DAなどのオプションアンテナを採用することで、伝送速度に変化が生じる可能性は高いでしょう
というものでした。

これ以後この環境を常用していますが、やはり最大の問題は802.11n接続での不安定さです。快適に動作していたかと思えば、急にパケットが流れなくなる、といった感じの繰り返しで、なかなか言う事を聞いてくれません。802.11gでの接続は大変安定している為、より残念さが募ります。

そこで、安定接続を求め、アクセスポイントとしてWHR-HP-G300Nを、また、オプションアンテナとしてWLE-2DAを導入してみることにしました。


WHR-HP-G300Nは、WZR-HP-G300NH同様、Buffaloから発売されている、ルータ機能を持った無線LANアクセスポイントです。WZR-HP-G300NHと比較した最大の特徴は、指向性のオプションアンテナが接続できることでしょう。接続状態の向上に大きく寄与してくれそうです。

その他の差異としては、WZR-HP-G300NHに装備されている簡易NAS機能や、ストリーミング向け設定をスイッチひとつで切り替えられる「ムービーエンジン」などが省略されています。また有線LAN側はGbEではなく100Mbpsです。一方、その分価格は抑えられており、実売8000円を切る価格で販売されています。また写真からはわかりにくいのですが、筐体もWZR-HP-G300NHよりも一回り小さなサイズのものが採用されています。

さて、前回と同じ環境を用いて速度調査を行ってみます。

設置場所は木造2階建ての家屋で、アクセスポイントは2階に設置します。このアクセスポイントGbEハブでiMacと接続されていますが、アクセスポイントとHubとは相性問題の為、有線側がGbEであるWZR-HP-G300NHでも、100Mbpsでしか接続出来ていません。

1階にはWLI-TX4-AG300Nを設置し、そこへWindows7をインストールしたLenovo S9eを有線で接続します。

この状態でMacOS X側でftpサーバとして稼働させ、S9e側ではWindows標準のftpコマンドを使い、
80M程度のデータの取得速度を計測します。アンチウイルスソフトなどはすべて停止させ、なるべく他のソフトの影響が及ばないように注意しました。

まずはWZR-HP-G300NHを用いて、現在の伝送速度を計測してみます。

前回同様、無線のチャンネルは13chで干渉はありません。認証/暗号化はWPA2-PSK(AES)、利用帯域は20MHzの1チャネル。ファームは最新のVer.1.72です。この状態で、1Fに設置したWLI-TX4-AG300N側で表示されている電波状態は86%から91%。Windows上で稼働させたinSSIDerによる電波強度は約50dbです。結果は以下のようになりました。
  1. 7.467Mbps(955.72KBps)
  2. 34.42Mbps(4405.64KBps)
  3. 21.86Mbps(2797.55KBps)
  4. 17.24Mbps(2206.69KBps)
  5. 35.05Mbps(4486.33KBps)
  6. 8.86Mbps(1134.19KBps)
  7. 27.10Mbps(3468.26KBps)
最高・最低速度を除く平均速度は21.89Mbps。最高速度的は良い感じなのですが、如何せん、やはり安定しません。

今度は、WZR-HP-G300NHを今回購入したWHR-HP-G300Nへと置き換え、計測を行います。まだオプションアンテナは使用せず、本体付属の棒アンテナでの計測です。ファームは最新のVer1.61を使い、無線チャンネルや認証方式は、WZR-HP-G300Nと同一の設定にしました。帯域も20MHzです。WLI-TX4-AG300N側で表示されている電波状態は86%から91%、また、inSSIDerを用いた電波強度は、約50dbと、この点もWZR-HP-G300NHと変わりありません。

計測結果は、以下の様になりました。
  1. 49.67Mbps(6358.47KBps)
  2. 49.92Mbps(6390.33KBps)
  3. 48.53Mbps(6212.93KBps)
  4. 50.36Mbps(6446.22KBps)
  5. 47.84Mbps(6123.91KBps)
  6. 50.36Mbps(6446.22KBps)
  7. 50.23Mbps(6429.71KBps)
なんと、今までの計測で得た最高速度以上の速度が、安定して得られています! 最高・最低速度を除く平均は49.74Mbpsです。設置環境問題で速度が出ないとばかり思っていただけに、この結果には、正直驚きました。これは非常に期待が持てます。

気を良くして、このまま40MHz(2チャンネル)帯域での接続を試してみます。追加で選択されたチャンネルは9ch。このチャンネルは、微弱ながら、近隣で他に利用しているアクセスポイントが存在することが確認出来ています。

計測結果は次のようになりました。
  1. 51.38Mbps(6577.62KBps)
  2. 38.69Mbps(4952.27KBps)
  3. 50.73Mbps(6494.68KBps)
  4. 47.78Mbps(6116.45KBps)
  5. 52.25Mbps(6688.78KBps)
  6. 51.25Mbps(6560.97KBps)
  7. 50.04Mbps(6405.62KBps)
最高・最低速度を除く平均は50.24Mbps。残念ながら特筆すべき速度向上は見られませんでした。却って速度にばらつきが生じています。

今度はオプションアンテナであるWLE-2DAを取り付けて計測してみます。

WLE-2DAは指向性アンテナですので、WLI-TX4-AG300Nへ向けて電波が正しく届くよう、向きをしっかりと合わせました。結果WLI-TX4-AG300N側で表示されている電波状態はほぼ100%となりました。inSSIDerでの結果は42dbです。オプションアンテナにより、強度が大幅に向上しました。

20MHzでの接続へ戻し、計測を行います。
  1. 45.77Mbps(5859.52KBps)
  2. 48.42Mbps(6198.08KBps)
  3. 48.19Mbps(6168.10KBps)
  4. 47.5Mbps(6080.80KBps)
  5. 47.62Mbps(6095.10KBps)
  6. 46.41Mbps(5940.09KBps)
  7. 48.07Mbps(6153.46KBps)
最高・最低速度を除く平均は47.56Mbps。残念ながら、今回の構成では、オプションアンテナの設置は速度向上へは寄与していないようです。

最後に40MHz接続へ切り替えて、もう一度速度計測を行います。
  1. 61.52Mbps(7875.48KBps)
  2. 59.88Mbps(7664.38KBps)
  3. 62.48Mbps(7997.78KBps)
  4. 60.32Mbps(7721.83KBps)
  5. 60.95Mbps(7802.82KBps)
  6. 59.88Mbps(7664.38KBps)
  7. 56.83Mbps(7274.39KBps)
  8. 60.88Mbps(7792.23KBps)
最高・最低速度を除く平均は60.38Mbps。しかも接続は非常に安定しています! 今までの計測で最高の結果となりました。この成績であれば、オプションアンテナの効果は十分にあると言えるでしょう。

さて、今までの結果をまとめてみると、こんな感じになります。

少なくとも私の環境では、WZR-HP-G300NHとWHR-HP-G300Nの接続性は、速度、安定度とも大きく異なる
簡易NAS機能や「ムービーエンジン」が不要であり、また、有線が100Mbpsで良いのであれば、WHR-HP-G300Nの方がお薦めである(値段も安く、筐体も小さい)
効果的に設置できるのであれば、オプションアンテナWLE-2DAの有用性は高く、特に速度上限を伸ばす際などで効果が発揮される

私は今回のWHR-HP-G300N+WLE-2DA構成へ大変満足しました。802.11g環境では得られない速度体験です。特に価格も随分とこなれており、お買い得度も満点です。

もしWZR-HP-G300NHを用いた802.11nの安定性確保へ苦労されている場合には、この構成を試してみる価値はあるのではと思います。

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