2011/09/29

Cocoa Emacs 23のIME patchでPreferred Languagesを参照させる


Mac OS X 上でのEmacsには、Mac OS X導入当初から「Carbon Emacs パッケージ」を愛用させていただいていました。

しかしCarbon Emacsの開発が2010年で終了したこと、また活用しているEmacs lispライブラリがEmacs 23をベースとし始めたことからEmacs 23へ移行することにしました。Mac OS X利用者にとって、Emacs 23はCocoaベースとなった点が大きな特徴です。

Emacs 23の環境構築には、「紹介マニア」さんの「Emacs23 (Cocoa Emacs) 入門から中毒まで」が大変参考になります。

この記事でも紹介されていますが、EmacsでMac OS XのIMEを利用する場合、IMEパッチを適用すると便利です。このパッチを適用することで、Emacs lispからIMEを制御できるようになります。「Carbon Emacsパッケージ」でも、このパッチは適用されていました。

このIMEパッチには、現在利用している環境の言語状況を調べて、制御対象とするIMEを決定するためのコードが含まれています。多くの場合、このコードは有益に動作するでしょう。

しかし、私は「英語環境でOSのインストールを行い、普段の利用も英語環境のまま。但し特定のアプリケーションだけは日本語環境で利用する」という特殊な運用を行なっているため、上記コードでは日本語IMEを制御対象にすることが出来ませんでした。

そこで、System PreferencesのLanguage &TextにあるLanguageタブで設定した言語を参照し、制御対象のIME決定するパッチを作成しました。このパッチはhttps://gist.github.com/1250669から取得可能です。


このパッチはemacs-inline.patch の r573を当てた環境へ適用してください。本パッチはMacemacsjp-usersへも送らせて頂きました。

パッチを適用することで、Englishでインストールされた(正確にはSystemの環境がen_USに設定された)環境であっても、Languageを「日本語」へ設定することで、日本語IMEを使えるようになります。

System、LangugaeともにEnglishに設定したまま、特定アプリケーションの言語設定だけを変更したい場合には、Language Switcherの利用が便利です。しかし残念ながら、このアプリケーションはEmacs 23へは適用できませんでした。

もしSystem、LanguageともEnglishに保ったまま、Emacs23から日本語IMEを制御させたい場合、defaultコマンドでEmacsの言語環境を設定するのが良いでしょう。具体的には、Termina.appなどから以下の様に設定します。

defaults write org.gnu.Emacs AppleLanguages "(ja, en)"

このdefaultコマンドで言語環境を設定する方法はThe iPhone Development Playgroundさんの「MacOSXで、Mail.appを英語環境で実行する方法」を参考にさせて頂きました。

最後に、「瀬戸亮平」さんの「[Mac] Cocoa Emacs のフォント設定について」を参考にさせて頂き、フォント設定を行うことで、無事Carbon Emacsで住み慣れた環境を構築することが出来ました。

上記、貴重なページを公開してくださった皆様へ感謝いたします。

2011/09/19

北一ホールの「ランプ点灯作業」はお薦め


北海道小樽市に「北一硝子」という、古くからガラスの製造販売を手がけるお店があります。

南小樽駅近くを中心に多くの店舗を擁していますが、その中の「北一硝子三号館」には、石油ランプの灯りだけで照らしだされる「北一ホール」という名の喫茶スペースがあります。


ランプの数は全部で167個。壁面や各テーブル、また、大きな3つのシャンデリアへランプが設置され、ホール内を彩ります。

ホールが開店するのは朝8時45分。開店と同時にランプの点灯作業が開始され、この時刻にホールへ訪れると、点灯の様子を見ることが出来ます。

僅かな電灯に灯された薄暗い店内で、167個のランプへ一つ一つ手作業で明かりが灯されて行く様は、幻想的であり、また圧巻です。



まずは、壁とテーブルのランプが順番に灯されて行きます。従業員さんが手馴れた手つきで、オイルの満たされたランプの台座をそれぞれの足場へ設置し、ランプを灯した後、ガラスのシェードを被せて行きます。


壁面とテーブルが終わると、床に下ろされた3つのシャンデリアの点灯です。ここでも一つ一つ台座をセットしランプを灯してゆきます。1つのシャンデリアへ設置されるランプの数は、おおよそ30個。全ての点火が終わると、3つのシャンデリアがゆっくりと天井近くへ引き上げられてゆきます。




最後に店内の電灯が一瞬で消され、完全にランプ灯りだけで彩られる世界が訪れます。


非常に美しいこの点灯作業ですが、積極的な宣伝をしていない為か、売り場で買い物を楽しむ方や点灯後に喫茶を楽しむ方はいたものの、点灯作業を見学をしている人は我々以外にはいませんでした。逆に言えば、この幻想的な光景の全貌をゆったりと楽しむことが可能です。

ホール内では一般的な喫茶メニューを楽しめますが、目玉はビッグシュークリーム。複数人で楽しむことができる非常に大きなシュークリームです。


喫茶メニュー以外に食事のメニューもあり、海鮮系の和食などを朝食として楽しむことも可能です。

広大なホールへ徐々に明かりが灯されて行く光景は、やや朝早めの時間に訪れる必要性を勘案しても、一見の価値があると思います。

点灯開始から全ての終了するまでにかかる時間は30分ほど。喫茶や朝食を楽しみながら、ゆったりした一日の始まりを過ごしてみては如何でしょうか。




2011/09/18

旭川市旭山動物園


北海道旭川市にある「旭川市旭山動物園」へ行ってきました。


旭川空港からは直通バスが運行されており35分ほどで到着します。園内には大きめの荷物を収納できるコインロッカーがあり、機内持ち込み可能なスーツケース程度であれば問題なく格納することが可能です。その為、空港から直接出向いても、気軽に園内を散策することが出来ます。


「旭山動物園の役割・使命」には「レクリエーションの場」や「教育の場」が挙げられています。その実践なのか、一般的な動物園に比べ、動物を囲む柵と観客との距離を近く設定しているように感じました。その為、近距離から動物の生態をつぶさに観察することが可能です。



また、各種動物へ餌を与える時間(旭山動物園では「モグモグタイム」と称しています)が掲示されており、餌やりの様子を、係員による詳しい解説と共に観察することが出来ます。


園内の様々な場所には、手書きで丁寧に書かれた、動物に関する興味深い説明も掲示されており、今まで知らなかった生態について知ることも出来ます。

これらの施策により、旭山動物園は一日過ごしていても全く飽きません。むしろ時間が足りないくらいです。大人も子供も、嬉しそうに動物を観察している姿の微笑ましい、非常に楽しい動物園でした。

数多くの動物を見ることが出来ましたが、「もうじゅう館」で飼育されていた動物の写真を幾つか。

Tiger

Leopard

Snow Leopard

Lion

MacOS Xのコードネームで使われた動物たちでした。


2011/09/03

MacでBlu-rayディスクを視聴する


従来MacOS X上でBlu-rayディスク(BD-Video)を再生することは困難でした。

実用に足るBlu-rayのプレイヤソフトは、戦略的にBDサポートを行っていないAppleからは勿論、サードパーティからも発表されていませんでした。これには、ハードウェア的にBDドライブが採用されていない、著作権保護技術をサポートしていないシステムがある、などの理由があったからなのだと思います。

しかし、最近Macgo社からプレイヤソフトとしてMac Blu-ray Playerが公開されました


販売価格は$59.95ですが、現在「3か月キャンペーン」を展開しており、$39.95で購入できます。またこの期間中は、製品版同等機能を持つプレイヤを無料でダウンロードすることが可能です。このプレイヤは、当該期間終了後、体験版へ切り替わります。

早速、自身の環境で試用してみました。

使用したMacはMacOS X 10.7(Lion)を稼働させているiMac 24-inch(Early 2008)。CPUにはCore 2 Duo(2.8GHz)を搭載しています。Mac Blu-ray Playerの動作推奨環境はCPUにCore 2Duo(2.4GHz)を搭載していることなので、ギリギリサポートの範囲です。

BDドライブには、BuffaloのBR-PX68U2-BKを使いました。

本体は非常に薄型で取り回しが容易です。同梱のACアダプタによる駆動は勿論、付属の二股USBケーブルを使うことで、USB接続のみでも稼働させることが可能です。Disk Utilityで表示されたドライブ名は「HL-DT-ST BD-RE BT10N」でした。

Mac Blu-ray Playerはバージョンは1.7.0.0609の正規登録版を使いました。Mac Blu-ray Playerは精力的にバージョンアップが行われているため、常に最新版が出ていないか確認すると良いでしょう。バージョン1.5.1からリニアPCM2.0ch音声がサポートされましたので、まずは、これ以上のバージョンを使っていることを確認することをお薦めします。

なお、Tools メニューには「Check for Updates」メニューがありますが、ここからは最新版を認識出来ない場合があります。直接サイトへ訪問するかtwitterアカウントである@MacBlurayPlayerのtweetを確認すると良いと思います。

この環境で、手元にあるBlu-rayディスクの冒頭部を再生してみました。利用したコンテンツは以下の通りです。


基本的に何れのディスクも問題なく動画再生が可能でした。「劇場版マクロス F」はPS3ゲームとのハイブリッドパック構成の為、やや不安だったのですが、全くの杞憂でした。

但し一部コンテンツでは字幕再生に問題がありました。

  • マトリックス: 原則字幕再生が出来なかった。
  • マトリックス リローデッド: 日本語字幕は、複数あるJapaneseの中から、最初の項目を選ぶ。
  • マトリックス レポリューションズ: 日本語字幕は、Subtitleメニュー内にあるDISABLE直下のEnglishを選択する。
  • アニマトリックス: 日本語字幕は複数あるItalianの中から4番目を選ぶ。

ディスクを取り出す場合には、Mac Blu-ray PlayerのFileメニューにあるEject Discを使うか、プレイヤの終了を確認してから、FinderのEjectを利用しましょう。プレイヤを起動したままFinderのEjectで排出を行おうとする、Ejectされないことがあります。

実験として、動作推奨から外れているMacBook Air(Late 2010)で再生実験を行ってみました。搭載CPUはCore 2 Duoの1.6GHzであり、推奨環境からは外れています。残念ながら、この環境ではスムーズな再生は出来ませんでした。なおCore iシリーズは推奨環境を満たしているので、2011版MacBook Airであれば、十分に再生できる可能性が高いでしょう。

Mac Blu-ray PlayerはMac OS X上でのBlu-ray プレイヤとして、実用に足るソフトウェアだと思います。現状は先に上げた字幕の再現性やBD-Jのサポートが見送られていたりもしますが、バージョンアップも精力的に行われていますので、今後の進化が楽しみです。