2010/09/19

第3世代 Kindle は PDF ファイルの読みやすさが向上

8月末に発売された「第3世代Kindle」を購入しました。


9月1日頃注文したのですが、品不足のため出荷日が確定したのは12日でした。この時点では「17日から20日に発送します」とのことでしたが、実際には予定よりも1日早い16日に発送が行われ、18日午前中には受け取ることができました。相変わらずAmazonの迅速さには驚くばかりです。

第3世代 Kindle は、第1/2世代 Kindle とは異なり、Wi-Fi専用モデルと、3G+Wi-Fiモデルの2種類があります。差額は$50です。今回は「円高還元セール」の名目のもと(?)、3G+Wi-Fiモデルを購入しました。3G+Wi-Fiモデルには、従来モデル同様の「White」と、新色である「Graphite」の2色が用意されています。今回はGraphiteを選択。

いつもの箱で到着。1つはKindle本体、もう1つは先に届いていたカバーケースです。


第2世代と同様のパッケージ構成です。


本体の大きさ比較。少し小さくなっています。見た目は僅かな差ですが、片手で気軽に掴めるサイズになりました。


背面素材はプラスチックになりました。重量は17%軽くなったそうですが、小型化と背面素材変更が影響しているのでしょう、片手で持った時の印象は、それ以上に軽く感じます。


 ケースの比較。第3世代向けのオフィシャルカバーケースにはゴムバンドが付いています。蓋が勝手に開いてしまうことがなくなり、持ち運びやすくなりました。カバーケースにはライト付きモデルも用意されていますが、私はライトの無いシンプルなモデルを選択しました。


第2世代 Kindle を持っているにも関わらず、第3世代を購入したのは、物欲に負けたからE-INKディスプレイの向上と、PDF表示時に濃淡調整が追加された為です。

従来のKindleでA4サイズのPDFファイルを表示させた場合、ファイルに依っては、読みにくさを感じることが少なからずありました。読みにくさを感じる要因の一つは文字の濃度です。小さな文字は当然線のボリューム感が失われ、背景に紛れてしまうことになります。

もしPDFの濃度調整が行えるのであれば、この問題を回避できるのではないかと考えました。

まずは第2/3世代のE-Inkディスプレイ色見比較。使用したPDFファイルはO'Reilly Japan Ebook Storeで購入した「Real World Haskell」。

お互いデフォルト設定のままでの表示です。写真では分かりにくいのですが、第3世代Kindleのほうが、ややしっかりと表示されています。


コントラストを変更してみます。第3世代Kindleでは、5種類の中からコントラストを選択できますが、最も濃い設定にしてみました。


効果は抜群です。読みやすさが大きく変化しました。これならば、この文字サイズであっても十分に読むことが出来ます。

今度は自分でスキャンしたファイルで試してみます。使用した書籍は『機動戦士ガンダムUC 2 ユニコーンの日(下)』(福井晴敏/著)。スキャナ等の環境は「紙の書籍を電子化して保存する: 機材の導入」で購入した、Scan Snap S1500など一式です。

スキャンした、素のファイルを第3世代Kindleで読んでみると、Kindleが備えている自動拡縮機能による文字かすれが発生してしまい、読みにくく表示されてしまいます。これは第2世代Kindleと同じ状態です。


そこで濃度を最高にしてみました。先程よりはやや読み易くなったものの、相変わらず読み続けるのは困難な状態です。


同じファイルを自作のkdconvスクリプトで加工した後、表示させてみました。このスクリプトは、オリジナルのPDFファイルへ細工を行ない、Kindle自身による自動拡縮を抑止させ、且つ、文字を太めにする、という処理を施すものです。

まずは標準濃度での表示です。


自動拡縮が抑止され綺麗に読めます。また進化したE-Inkディスプレイのお陰で、第2世代Kindleよりも文字がくっきりとしています。

濃度を最高にしてみました。


文字は、より、くっきりとしたのですが、やや濃すぎる印象です。このまま読み続けると、目が疲れそうな気がします。一方、暗目の場所で読むには良いかもしれません。

第3世代Kindleへ搭載されたE-INKディスプレイは、第2世代Kindleよりも読みやすさが向上しています。加えて新たに実装されたPDF濃度の調整機能は、A4サイズ程度のPDFファイルをKindleの画面サイズで読む際に大きな威力を発揮することも分かりました。両機能により、新しいKindleは、「軽く小さい電子ブックリーダでPDFファイルを読みたい」という方にとって、より魅力的な機器へと進化したのでは、と感じています。

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