2008/08/03

IPv4アドレス枯渇問題

7月中はIPv4アドレス枯渇に関する議論へ幾つか参加してきました。ひとつは、jus総会併設の勉強会で、もうひとつはJPNICのJPOPM14thです。また、私は参加できませんでしたが、JANOGでも、IPv4枯渇に関する話が出ていました。

2010年末頃にはRIRから割り当てるIPv4アドレスブロックがなくなる、というのはさまざまな箇所で言われている通りですが、さすがにそろそろ悠長に構えているには、期限も厳しく、そういう流れから、表で行われる議論の機会が増えているのかもしれません。

結局アドレス枯渇を根本的に解決するには空間を拡大するしかなく、現状使える技術はIPv6しかないわけですが、どうしても移行期間が発生しますので、そこをどうするかがひとつのポイントです。

とはいえ、ここもご想像通り、おおむねISPという大きな単位でNATを使う、ということになります。この為にCarrier Grade NATと称される技術が提唱され、既にInternet-Draftなども積極的に公開されています。

IPv6に関しては、もうずいぶんと前からDeployが進められていましたが、残念ながら、実運用という面では、それほど普及は進んでいません。それまでのつなぎに、End2End通信を破壊する、としてある意味、必要悪的な役目に甘んじていたNAT(NAPT)がその任を負う、というのは、なかなか面白いな、と感じています。

しかしNAT越えのinboundは、各種実装の相違から単一ルータでも難しい技術ですが、それがISPなどの大きな規模で導入され、運用されることになると、大変な御苦労があるかと思います。このあたり、宮川さんを中心とされる識者の方々が積極的に推進されているようですので、技術的には楽観的に安心してはいますが、IPv4ネットワークの維持とIPv6への緩やかな移行へ向けて、ぜひともがんばっていただきたいと感じました。

0 件のコメント:

コメントを投稿