2019/11/04

AirPods Pro と WF-1000XM3 などのイヤホンを聴き比べてみました

颯爽と登場した AirPods Pro



早速購入し、しばらく常用してみました。とても魅力的な製品です。今年は色々魅力的なイヤホンが次々と登場し、どれを常用しようか迷ってしまいます。

そこで、手元にある製品を比較してみました。比較したのは、以下の4製品です。

- Apple: AirPods Pro
- Sony: WF-1000XM3
- Bose: Power Beats Pro
- Apple: AirPods



各製品のオススメポイント


AirPods Pro のオススメポイント

- WF-1000XM3 と同等の最強ノイキャン性能
- カナル型で装着感が安定
- 外部音取り込み時の音がすごく自然
- 耐汗耐水

WF-1000XM3 のオススメポイント

- 音楽への圧倒的な没入感
- イコライザを調整することで音質を自分好みにカスタマイズ
- 最強のノイキャン性能でありながら6時間連続再生
- クイックアテンションが便利

Power Beats Pro のオススメポイント

- イヤーフックでワークアウト時の安定性が抜群
- 本体だけでボリュームを変更できる
- 全ての操作が物理ボタンで簡単操作
- 一度の充電で9時間再生

AirPods のオススメポイント

- 開放型で気負わず使える
- ケースも含めたサイズが小さい
- 値段が手頃

もう少し詳しく


今回取り上げた4製品はどれもこれも魅力的で、どれを購入しようか迷ってしまう場合も多いでしょう。ただ、それぞれの製品が持つ個性を考えると、自分に魅力的な製品が絞り込めるかもしれません。

[AirPods Pro]



Apple ブランドで初めてノイズキャンセリング機能を持つイヤホンでありながら、圧倒的な完成度で登場です。

大きな特徴的は「自然さ」。ノイキャンを有効にすると、すっ、とノイズが消え、音楽が飛び込んできます。圧迫感も少なく、長時間装着していても違和感は強くありません。それでいて、一定以上の大きさで話している人の声や電車の車内のアナウンスは、かき消されることなく耳に入ってきます。音楽と融合している感じです。

外部音取り込みモードに切り替えると、まるでイヤホンを装着していないかのような明瞭な音質、ボリュームで外音を聴くことができます。モード切り替えはフェードイン・アウトで行われるため、耳に違和感を感じることのない移行が心地良さを感じます。

カナル型なので耳に安定して収まりますが、軸がそれほど長くないため、カナル型が苦手な方でも装着感は良いかもしれません。

外音への対応や装着感など、この製品は Apple が得意とする「生活を邪魔せず、自然に利用する」ということを念頭に作られた製品に感じます。耐汗耐水への対応なども思想の一環かもしれません。

ただ、この方向性のため、例えば「外部音取り込み」モードで音楽を再生すると、楽曲自体の聞こえは悪くなります。また、ノイズキャンセリング機能を有効にしていても、人の声に近い帯域のノイズが耳に入ってくることもあります。

[WF-1000XM3]



非常に強力なノイズキャンセリング機能を持ったイヤホン。

同じく強力なノイズキャンセリング機能で話題となった WH-1000XM3
https://www.sony.jp/headphone/products/WH-1000XM3/
の性能そのままに、小型軽量カナル型イヤホンになりました。

この製品の特徴は「音楽への没入感」。どこでも「音楽」を「良い音で楽しむ」ために、その世界に入り込むために、作られているように感じます。

ノイズキャンセリングは、音楽を再生していない状態ではわずかにヒスノイズを感じますが、音楽再生を始めれば全く気になることなく、綺麗にノイズをかき消してくれます。軸が長めなカナル型の本体と相まって、外音の遮断性能はピカイチです。どんな環境でも、気軽に好きな音楽へ没入して欲しい、そういう思いを感じます。もちろん再生音はソニー製品お馴染みの音質。厚みがあり、中音域の音も綺麗に伸び、以前からのソニーイヤホン音質が好きな方は、違和感なく装着できるでしょう。

この音楽第一主義の方向性は外音取り込み機能を有効にしても受け継がれます。外の音を取り込みつつ、注力するのは音楽。楽曲再生の邪魔をしないように配慮しながら、外音を取り込む音設計がなされているのか、外音取り込みを有効にしても、音楽を明瞭に聴き続けることができます。

音へのこだわりはスマホアプリへも現れ、スマホアプリへ搭載されたイコライザ機能で、音質を自由に変更できます。もし、標準音質が、自身の好みや、聞いているジャンルに合わない様であれば、自由に変更、調整してみましょう。これも音楽第一主義の方向性なのかもしれません。

それでいて、ノイキャンを有効にした状態でも連続6時間も再生できたり、イヤホンへ軽く触れている間だけ、外音を鮮明に取り込むクイックアテンション機能が付いているなど魅力的な機能も搭載。特にクイックアテンションは、他人に話しかけられたり、電車のアナウンスを聞きたい時など、とっさに外音を取り込みたい場合に大変便利です。

やや惜しいのは、耐汗耐水ではないところ。ワークアウトで使うのはちょっと躊躇してしまいます。また、外音取り込み時の音質は、フィルタが挟まっている様な、やや不自然な音質となります。また、以前のソニー製 Bluetooth イヤホンと比べてずいぶんとは良くなったものの、人混みやノイズの多い場所で、音が途切れてしまう頻度は、Apple 製品に比べてまだ多い様に感じます。

[Power Beats Pro]



この製品は、ずばり「ワークアウト第一主義」です。

ノイズキャンセリング機能は持たないものの、カナル型なので、一定以上の外音遮断性能も期待できますし、音質も非常に素直です。低音が強調される様なこともありません。しかし、より一層この製品の魅力を高めているのは、随所に溢れるワークアウトへのこだわり。

最も特徴的なのが、大きなイヤーフック。スッと耳へ引っ掛けることができる快適さでありながら、ワークアウト中に外れる心配が全くありません。これを装着してトレッドミルでランニングしていても、「ずれ落ちてきそうだな」と感じたことは一度もありませんでした。また、他のイヤホンでは、不注意に手が当たって耳から外れてしまった様な状況でも、この製品はしっかり踏みとどまってくれました。

再生などのコントロールボタンが物理的である点、また、同じく物理的なボリュームボタンがが本体へ備わっている点も、ワークアウトとの相性抜群。私は、ランニング中など「もう少し気合入れて踏ん張ろう」という場面で音楽のボリュームをあげる場合が多いのですが、この際 iPhone や Apple Watch を操作することなく、本体だけで操作が完了するのは、非常に快適です。さっとボリュームを上げ、再び走りへ集中できます。

また「この曲は今のペースに合わないな」という場合に、走りながら曲送りをすることもありますが、この様な状況でも、物理ボタンの方が簡単に操作できます。タッチセンサー系ボタンの場合、ランニング中などの体が上下している状態では、うまく操作が入らなかったり、逆に2度効いてしまったり、という場合もありますが、そんなイライラとも無用です。

長時間持つ点も魅力的ですが、その反面本体サイズも大きめなため、ややケースが大きくて重い点が残念です。

[AirPods]



Pro のつかない AirPods。この製品の魅力は「気軽さ」です。

今回取り上げた4製品の中で、唯一の開放型。例えば、軽く街中を歩く場合など、音楽を楽しみつつ、外音も自然に取り込みたい、という場面に最適です。ひょい、と耳に引っ掛けるだけで音楽再生をできますし、本体が小さいため、邪魔になりません。

小型軽量なケースも持ち歩きの妨げにならず、聴き終わったら、さっとしまうことが可能です。他の3製品と比較して値段も手頃なので、その点でも気軽に購入できます。

装着感、音楽との関わり方、持ち運び、どの点からも気負わず、気軽に楽しめる製品だと言えるでしょう。

ただその気軽さが、人によっては「耳から外れやすい」という点へ繋がってしまうことには、注意が必要です。装着感の安定性という点からは、私の耳との相性もあまり良くありませんでした。

結論

ここまで読んでくださって、ありがとうございます!

今回取り上げた4製品、どれも非常に魅力的で、悩んでしまいますが、その中でも、「気軽さ」の無印 AirPods と 「ワークアウト第一主義」の PowerBeats は方向性が明確で、この点へ魅力を感じた方には、それぞれの製品がおすすめでしょう。

少し難しいのは、「自然さ」の AirPods Prot と、「音楽への没入感」の WM-1000XM3。どちらも基本性能は大変に高く、どちらを買っても満足することは間違いありません。ただ、両製品が目指している思想はやや異なっているため、その点は自分の好みや生活スタイルを踏まえて、どちらが、より合っているか、という点で選べば良いと思います。最近は、試聴できる店舗も増えていますから、近くにそうした店舗があれば、聴き比べてみるのも楽しいかもしれません。



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