初期出荷分は早々に予約が完了し、販売初日も即完売、という大人気ぶりでしたが、幸い、仕事で出かけた郊外の量販店で二次出荷分を購入することができました。
外箱。左に置いたiPhoneと比較すると分かりますが、ハードウェアが入っているにしては、小さく、軽いパッケージです。
開くとまずはUSBケーブルが。
その下には、ソフトウェアとチューナ本体が納められています。地デジチューナを購入した、という認識でしたので、本体よりも大きなPS3ソフトウェアパッケージが一番目立っているのは、新鮮に感じました。
パッケージの中身は、いたってシンプル。左上はB-CASカード。中央の白い袋に入っているのがチューナです。
チューナ本体。表面にPS3のロゴが彫り込まれています。ザラザラした表面加工は新型PS3と同様です。
iPhoneとの大きさ比較。非常に小さいことが分かります。この本体にはB-CASカードを挿入するのですが、カードのサイズがこの大きさを規定している最大要因なのでは、と感じました。
ハードウェアに関する付属マニュアルは、SCE純正周辺機器でおなじみのペラ紙一枚。最近のAV家電に付属するマニュアルを見慣れていると、シンプルかつ解りやすく感じます。
torneソフトウェアのパッケージを開いた様子。こちらのソフトウェアマニュアルは分厚く60ページ。ソフトウェア主体の構成であることが分かります。
本体の結線は非常に簡単です。テレビにつながっているアンテナを外してtorneチューナの入力側へ接続、torneチューナの出力側はテレビへのアンテナ端子へ。その後、torneチューナとUSBケーブルを接続しPS3へ差し込みます。文章で書くとややこしく思えますが、torneチューナへ余計な差し込み口がないため、直感的に接続出来ます。
ただし、アンテナ線がそれなりに太く、またUSBケーブルもそれなりの長さがあるため、ケーブルの取り回しはなかなか綺麗には収まりません。
私の環境では、接続に際して一点注意すべき点がありました。私はCATVに加入しており、パススルーで地デジを受信しています。torneを繋ぐ前の結線はこんな感じです。
壁のアンテナコネクタ <-> CATVチューナ <-> BD-Recorder <-> TV
壁のアンテナコネクタ <-> CATVチューナ <-> torne <-> BD-Recorder <-> TV
結局、次のような構成にしたところ、torne 起動時もTVの視聴ができるようになりました。
壁のアンテナコネクタ <-> CATVチューナ <-> BD-Recorder <-> torne <-> TV
チューナの設置終了後、torneソフトウェアのインストールを行います(ただし、torne チューナをPS3へ接続していない状態でもソフトウェアのインストールは可能でした)。
インストールを選択すると、「システムソフトウェアを3.16にする必要があります。アップデートしますか?」との案内が表示されました。この時点でPS3のバージョンは3.15であり、アップデート可能な最新状態です。torne のソフトウェアパッケージ内には、まだ配布されていないシステムが同梱されているようです。システムアップデート後は普通にインストールが完了しました。
起動すると torne ソフトウェアのバージョンアップが検出され1.10へとアップデートされました。CATV環境でのチャンネルスキャンが出来ない問題への対処です。従来の家電では、不具合がある場合でも、アップデートされるまでに時間がかかる、または、最悪アップデートされない、という場合が少なくありませんでした。その点、発売後一週間以内にソフトウェアアップデートが実施されるフットワークの軽さは魅力的に感じました(バグが少ないに越したことはありませんが)。
torne最初の起動には初期設定が開始され、チャンネルスキャンが実行されます。CATV局のローカルチャンネルも含め、全てのチャンネルが認識されました。
実は、このチャンネルスキャンまで、torneチューナをPS3本体へ接続することなく進めることが出来ます。チャンネルスキャン時に初めて機器の接続が確認され、接続されていない場合には警告が表示されますが、この時点でPS3へUSB接続すれば、チャンネルスキャンが継続されます。
起動後のインターフェースは、まさに良質なゲーム同様です。すべての操作が軽快に機能し、快適なフィードバックを与えてくれます。例えば、一般的な家電に多く見られるような、
- スクロールが遅くて必要な情報になかなか辿り着けない
- ボタンを押しても反応がないので、もう一度押したら、2回有効化されてしまい、意図せぬ結果に
- 画面が余っているにも関わらず、肝心な情報が表示されず、表示するためには数手間必要
例えば、番組表の拡大縮小はアニメーションを伴なった高速描画で実現されています。このため、快適な動作を実現しながらも利用者が自身の視点フォーカスを失わないよう、配慮がなされています。
チャンネル切り替えのように、待ち時間の発生する箇所では、例えば今から視聴しようとしている番組名を画面上へ美しく表示させることで、心理的に待ち時間の軽減を図っています。もちろん、だからといって、チャンネル切り替えが一般のテレビと比べて遅い、というわけではありません。
テレビ視聴中のチャンネル切り替えでは、動画再生をしながら、画面下部に他局の番組情報も表示され、内容を確認したうえで、好みのチャンネルへダイレクトジャンプ出来ます。録画をした番組一覧では、サムネイルで記録動画を自動再生してくれるため、本当に見たい番組かどうかを、わざわざ再生することなく確認できます。
恐らくPCやゲームのインターフェイスの慣れ親しんだ人が感じる「家電のインターフェイスとはこうあるべきなんじゃないかな」という思いを、わかりやすく具現化したものだと言えるでしょう。私にとって、このインターフェイスは、まさに「かゆいところに手が届く」、大変扱いやすいものでした。
普段、旧来の家電インターフェイスの世界でのみ生活している人にとっては、全く違う世界観であり、やや取っ付きにくい印象を持たれるるかもしれませんが、PCやゲームに慣れている方には、ぜひ一度、この快適な世界を試してみることをおすすめしたいと思います。
今後、こういうインターフェイスを持った家電も増えてくると、各種家電を購入する楽しみも増えてゆくな、と感じました。