「AtermWR8700N」システムの導入により、BUFFALO製とNEC製、2組の802.11n対応アクセスポイントならびにイーサネットコンバータが揃いましたので、これら相互接続性を検証してみました。なお、BUFFALO、NECとも、他社機器との接続性は保証していませんのでご注意ください。
まずはアクセスポイントにNECのAtermWR8700Nを利用し、イーサネットコンバータにBUFFALOの「WLI-TX4-AG300N」を用いて速度計測を行います。
設定は40MHzチャンネルボンディング+2ストリーム構成、周波数は2.4GHz帯を使います。その他の環境は「NEC AtermWR8700N を購入し実効速度を計測しました」と同様です。
- 66.31Mbps(8487.97KBps)
- 66.86Mbps(8558.44KBps)
- 67.04Mbps(8581.31KBps)
- 64.21Mbps(8219.02KBps)
- 66.60Mbps(8525.84KBps)
平均は66.59Mbps。異なるメーカ機器間での接続でありながら、純正環境で2.4GHz帯域を使用した場合と同様の伝送速度を得ることが出来ました。
しかし残念ながら、この組み合わせで暫く使用していると、パケットロスが発生し始めてしまいます。最短では1分ほどで発生することもあり、10分ほどのping計測結果では、平均50%のパケットが失われてしまいました。実質、この組み合わせで利用することは不可能なようです。勿論、WHR-HP-G300NとWLI-TX4-AG300NによるBUFFALO同士の組み合わせでは問題なく動作しますから、機器の不具合ではなく、相性または設定の問題なのでしょう。
次に、先ほどと同じくAtermWR8700NとWLI-TX4-AG300Nを用い、周波数帯域のみを5GHz帯へ変更して速度検証を行いました。
- 85.33Mbps(10923.36KBps)
- 85.67Mbps(10966.81KBps)
- 85.52Mbps(10947.39KBps)
- 85.30Mbps(10919.21KBps)
- 85.37Mbps(10928.09KBps)
平均速度は85.39Mbps。前回の調査ではNEC同士の機器を組み合わせた平均速度が78.83Mbpsでしたので、驚くことに、同一メーカでの組み合わせよりも約7Mbps程速度が向上したことになります。念のため、同一時間帯にNEC同士の組み合わせで再度計測し直しましたが、やはりNEC同士の組み合わせでは80Mbpsを超えることはありませんでした。
勿論、今回の伝送速度計測は厳密なものでは無いため、環境などに伴う誤差は十分に考えられますが、興味深い結果です。また2.4GHz帯での場合と異なり、10分ほど計測してもパケット消失は一切生じませんでした。
最後に、アクセスポイントへBUFFALOのWHR-HP-G300Nを、イーサネットコンバータにNECのAtermWL300NE-AGを組み合わせて計測を試みました。WHR-HP-G300Nの仕様から2.4GHz帯のみでの検証です。
しかし、残寝ながら、この環境では接続を確立することが出来ませんでした。AtermWR8700NとWLI-TX4-AG300Nとの不安定さも併せて考えると、2.4GHz帯での異機種接続は、やや難があるようです。2.4GHz帯は、各社共に伝送速度や安定性向上を実現するため、細かなチューニングを施していますので、その差を適切に吸収し、標準に準拠するよう設定し直す必要があるのでしょう。
参考値として、同じ場所へMacBook Airを設置し、5GHz帯を用いた速度を計測してみました。
- 100.66Mbps(12884.78KBps)
- 99.97Mbps(12796.20KBps)
- 99.642Mbps(12754.24KBps)
- 102.08Mbps(13065.94KBps)
- 100.50Mbps(12865.00KBps)
イーサネットコンバータでは無線/有線変換処理が行われていること、そもそもイーサネットコンバータ計測時の環境がMacBook AirとUSBで接続された有線LANアダプタコネクタ経由であり、ここでもオーバーヘッドが見込まれることなどを勘案すれば、量イーサネットコンバータ共に、十分優秀な速度であると言えそうです。
今回の結果を見る限り、既にWLI-TX4-AG300Nを用いている環境で、5GHz帯域での802.11nの利用を検討している場合には、イーサネットコンバータの付属していないAtermWR8700N単体パッケージを購入し、試用してみ、というアプローチもあるのかもしれません。
なお、上記は接続可能性を保証するものではありませんので、ご利用に当たっては、その点を十分にご留意頂ければと思います。
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