少し遅れて会場入りしたのですが、溢れんばかりに非常に多くの人でびっくり。技術系の方々と非技術系の方々が半分位、という比率に見えました。とは言え、後半の技術系話では、流石に人数も減り、技術系の方々が多いように見えました。
前半の内容は、アドレス枯渇に関する概論でいつもの内容のおさらいです。ただ、総務省の方々がいらっしゃる場で、「IPv4アドレス枯渇が2010年に早まった」、という表現を使われていたのが新鮮でした。というのも総務省の「インターネットの円滑なIPv6移行に関する調査研究会」で公開された「IPv4アドレス枯渇時期予測について」では、IPv4アドレス枯渇時期を2011年初頭から、と表現していて、その関係から、「総務省レポートでは枯渇時期を2011年と予想」などと言われることが多かったので。
さて、今回のセミナーで私が聞きたかったのは、データセンターの方々や、サービスを展開されている方々の感じ方です。
総じて言えば「現状それほどの緊急性を感じていない」とでも言えば良いのでしょうか「ビジネスにならない為、まだ取り組んではいない」という言い方が正しいのかも知れません。
個人的には、自身のIPv6運用ノウハウ獲得までの学習曲線を思い返すと、サービスそのもの移行処理は勿論、サービスを支えるバックヤード系システムなどで安定性を獲得するまでに時間がかかると予想される、そろそろ腰をあげるべきなのでは、と感じています。
どんな形であれ、CGN的なアプローチはISPから提供されることになると思っていますので、エンドユーザ側は当面IPv4ネットワークを利用し続ける事ができるのだろうと思います。
問題はサービス提供側のグローバルIPv4アドレスが本当にピンチになってきたとき。絶対、水面下ではIPv4アドレスの争奪戦争が生じると思うのですが、どうなんでしょう?この点からAPNICで議論が繰り返されている「アドレスの移管を認め、DBの健全性だけは、何としても維持統べし」という意見は、大変現実的だと思うのですが...。
さて、日本のインターネットは常時接続が当たり前になりつつありますが、この成功故に、
- 常用するIPv4アドレス量が高止まりになる
- クライアントにCGN配下のIPv4アドレスとIPv6アドレスが割り振られる
- 結果的にIPv4アドレスが延命され、サービス提供者はIPv6でのサービスをせず、アドレスは普及すれども、IPv6ネットワークが実質的に立ち上がらない
- 一方で、多段NATによりVoIPなどの透過性が落ち、IPv4インターネットの魅力が徐々に落ち始める
- 「ガラパゴス」ケータイサービスの囲い込みネットワーク戦略の接続性/サービス可搬性の魅力が相対的に高まる
- ケータイインターネットが更に普及し、PCベースのインターネットは副次的になる
- 日本のインターネット界が、世界から取り残される
家電機器など、開発/利用期間の長い装置はそろそろマイグレーションプロセスを考えて置かないと、期限切れギリギリになってしまうのでは、と思われるものも少なくありません。
この業界、これから数年はいろいろありそうだな、と感じています。
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