数年前に購入し、他の本に下敷きになっていた本を2冊ほど読みました。少し部屋の片付けをしたのがきっかけです (^^;両方とも既に古典とされつつある、大変有名な本です。
1冊目は『イノベーションのジレンマ』。
最近、『イノベーションへの解 実践編』が発売になりましたが、そのシリーズ第一弾といった位置づけでしょうか。
最終章から論旨を引用させていただくと、こんな感じ。
見事な成功をおさめてきた企業の有能な経営陣が、ひらすら利益と成長を求めるうちに、最高の経営手法を使って、企業を失敗に導く場合があることを学んだ(p.293)。
マネージャはまず、これらの衝突がどのようなものかを理解する必要がある。つぎに、各組織の市場での地位、経済構造、開発能力、価値が、顧客の力と調和し、持続的イノベーションと本格的イノベーションという全く異なる仕事を邪魔せず、支配する環境を作り出す必要がある(p.297)。やっぱり、こういう話を読むと、自身に関係の深いソフトウェア開発プロセスとの関連で考えてしまうわけで、例えば、成功する為のパターンを模索して手に入れたソフトウェア開発のチームが、その成功故に、維持するものが大きくなり、だんだんと機動力と言うかAgilityが失われてしまう、という悲しいパターンに近いのかなぁ、と。
これ対する本書での提案は「邪魔せず、支配する環境を作り出す」ということですが、これは『XP エクストリーム・プログラミング入門 第2版』の
小規模なチームでプロジェクトを始め、自立したチーム間で作業を分割する(p.116)と、同じ思想に根差しているのだろうな、と感じました。
で問題は、これら独立部隊が独立性を保ちながらも、全体として、一本、確とした筋を通すにはどうするのか、という点なのですよね...。
もう一冊は『会議が絶対うまくいく法』。
ファシリテーションに関する本で、ポイントがサクサク読めます。会議を主催する側になった人には、勿論、多くの論点がぼけた会議に業を煮やしている人にも、自分が同じことをしない為の注意点を知る為に、お薦めです。
さて、この本では「問題解決のコツ」として、
集団で評価をするときには、判断を下す前に、共通の判断基準をつくり、合意しておかなくてはならない(p.216)という記述が出てきます。そして恐らくこれこそが、「全体で筋を一本通す」ことの肝なのだろうな、と。
自分の周りで起こっている、上手く行っているプロジェクトや、残念ながら、少し空回りしているプロジェクトなどを見ると、ファシリテータの存在やビジョンの提示、スーパーエンジニアの存在性などに各種特徴が見られ、あぁ、やっぱりプロジェクトって面白いな、と思うのでした。
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