北海道小樽市に「北一硝子」という、古くからガラスの製造販売を手がけるお店があります。
南小樽駅近くを中心に多くの店舗を擁していますが、その中の「北一硝子三号館」には、石油ランプの灯りだけで照らしだされる「北一ホール」という名の喫茶スペースがあります。
ランプの数は全部で167個。壁面や各テーブル、また、大きな3つのシャンデリアへランプが設置され、ホール内を彩ります。
ホールが開店するのは朝8時45分。開店と同時にランプの点灯作業が開始され、この時刻にホールへ訪れると、点灯の様子を見ることが出来ます。
僅かな電灯に灯された薄暗い店内で、167個のランプへ一つ一つ手作業で明かりが灯されて行く様は、幻想的であり、また圧巻です。
まずは、壁とテーブルのランプが順番に灯されて行きます。従業員さんが手馴れた手つきで、オイルの満たされたランプの台座をそれぞれの足場へ設置し、ランプを灯した後、ガラスのシェードを被せて行きます。
壁面とテーブルが終わると、床に下ろされた3つのシャンデリアの点灯です。ここでも一つ一つ台座をセットしランプを灯してゆきます。1つのシャンデリアへ設置されるランプの数は、おおよそ30個。全ての点火が終わると、3つのシャンデリアがゆっくりと天井近くへ引き上げられてゆきます。
最後に店内の電灯が一瞬で消され、完全にランプ灯りだけで彩られる世界が訪れます。
非常に美しいこの点灯作業ですが、積極的な宣伝をしていない為か、売り場で買い物を楽しむ方や点灯後に喫茶を楽しむ方はいたものの、点灯作業を見学をしている人は我々以外にはいませんでした。逆に言えば、この幻想的な光景の全貌をゆったりと楽しむことが可能です。
ホール内では一般的な喫茶メニューを楽しめますが、目玉はビッグシュークリーム。複数人で楽しむことができる非常に大きなシュークリームです。
喫茶メニュー以外に食事のメニューもあり、海鮮系の和食などを朝食として楽しむことも可能です。
広大なホールへ徐々に明かりが灯されて行く光景は、やや朝早めの時間に訪れる必要性を勘案しても、一見の価値があると思います。
点灯開始から全ての終了するまでにかかる時間は30分ほど。喫茶や朝食を楽しみながら、ゆったりした一日の始まりを過ごしてみては如何でしょうか。
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