私もGmailを利用していますが、過去の経緯等から、比較的ややこしい方法で利用しています。
- Gmailアドレスは常用しておらず、独自ドメインのアドレスを使っている
- 独自ドメインはGoogle Appsで管理しているが、そのGmailサーバ機能は使っておらず、Google本家のGmailアカウントへ転送している
- Gmailの設定を変更し、送信アドレスとして、gmail.com ではなく、独自ドメインのアドレスを使っている
- Googleアカウントへ独自ドメインのアカウントを紐付けており、どちらのアカウントでログインしても、Google本家のサービスが利用出来るよう設定している
- IMAP サーバへ、Googleアカウントでログインしなければならない
- メイルの送信アドレスは独自ドメインアドレスを設定しなければならない
そこで3種類のメイル設定について整理してみました。それぞれ「iOS標準のGmail設定を使う」「GmailのIMAP接続設定を独自で行う」「Google Syncでメイルを動機するように設定する」です。
1. iOS 標準のGmail設定を使う
最もシンプルな設定方法です。Mail, Contacts, Calendars 内のAdd Acount で GMail を選択することにより設定できます。特にiOS4からは、一括して、CalendarsとNotesの同期設定も行ってくれるようになり、便利さが増しました。
この設定を使った場合の特徴は次の通りです。
- ログイン情報には、Address と Password フィールドで設定した値が使われる。この値に Google Apps 用の値を設定すると、Google Apps内のGmailサーバと同期が行われるようになる
- 送信メイルアドレスは Address フィールドへ入力した値が使われる
- IMAP/SMTP では HTTP Proxy は超えられない
- Archive Message 設定ができる
- Calendars が一括で設定される
- Notes が一括で設定される
Web版Gmailでは、送信メイルアドレスとして利用するアドレスを設定できるのですが、残念ながら、その設定は反映されないようです。
魅力的な機能は4、5、6です。Gmailでは、大容量を活かし、メイルを削除するのではなく、普段は見えない場所へアーカイブとして保管しておくことが出来ます。iOS標準のGmail設定を使えば、この機能を利用することが可能です。また、Calendarsも一括で設定してくれるようになりましたので、設定がより簡単になりました。Notesの同期も新機能です。
ただし、Calendarsで設定してくれるのは、メインカレンダーのみのようで、複数のカレンダーを利用している場合には、従来通りCalDAVアカウントなどを通じて、個別設定しなければならないようです。
また、仕様として、HTTP Proxyを設定しても、IMAP/SMTPともFirewallを超えることが出来ません。この為、企業内ネットワークなどからGmailサーバへ接続することはできません。
2. GmailのIMAP接続設定を独自で行う
やや複雑な設定方法です。Mail, Contacts, Calendars 内の Add Acount で Other を選択し、Add Mail Account を選択することで設定します。
この設定を使った場合の特徴は次の通りです。
- ログイン情報には、Incomint Mail Server の User Name とPassword フィールドで設定した値が使われる。
- 送信メイルアドレスは IMAP Account InformationのAddressで設定した値が使われる
- IMAP/SMTP では HTTP Proxy は超えられない
- Archive Message は設定できない
- Calendars は一括設定されない
- Notes は一括で設定される
うにNotesの同期設定も行えます。
一方、iOS標準のGmail設定では可能であった4、5が利用できない点はやや残念です。Incoming Mail Server設定を見ることで、これらの機能を有効化することも可能だと思うのですが、残念ながらそうはなっていないようです。
3. Google Syncでメイルを同期するように設定する
Google Sync は、メイルに加え、カレンダーやコンタクトも同期してくれる便利なサービスです。
Mail, Contacts, Calendars 内の Add Acount でMicrosoft Exchangeを選択することにより設定できます。
この設定を使った場合の特徴は次の通りです。
- ログイン情報には Username と Password フィールドで設定した値が使われる
- Googleアカウントへ紐付けた独自ドメインアカウントを Username へ指定しても、ログイン出来ない
- 送信メイルアドレスは Username で設定した値が使われる
- Email フィールドへ別のアドレスを設定した場合でも、自動的に Username へ指定した値へ設定が更新される
- HTTP Proxy が超えられる
- Mailbox 内に ^sync_gmail_group というグループが表示される
上記2、3、4の制約から、送信メイルアドレスに独自ドメインアドレスを利用することはできません。
魅力的なのは5です。例えば企業のファイアウォールなどでは、HTTPポート以外のアクセスを閉じている場合も多いと思いますが、そのような環境でもアクセスできました(ただし環境に依存するかもしれません)。
一方で、6の管理用と思われるフォルダが見えてしまう点は、ややマイナス要素です。
結局、上記3種類の内、送信メイルアドレスを自由に変更できるのは「GMailのIMAP接続設定を独自で行う」のみのようです。この方法ではGmailのArchive機能が使えないのが残念だな、と思います。
なお、送信メイルアドレスのドメインをGoogle Appsで管理している場合には、やや裏技気味ですが「SMTPサーバだけGoogle Apps のサーバを使う」方法があります。
上記「GMailのIMAP接続設定を独自で行う」同様にGoogle Appsドメインのアカウント設定を行ない、Mail を「OFF」に設定しておきます。その上で、送信アドレスを変更したいGmailアカウントの設定から Account Info へ入り、Outgoing Mail Server で Google Apps の SMTP サーバを指定します。これにより、送信メイルアドレスを独自ドメインへと変更することが出来ます。
Google Appsを使っている多くの方は、メイルサーバもGoogle Apps内のGmailサーバ機能を使うでしょうから、この方法を利用する方は少ないと思いますが、困ったときにでも、一度試してみてください。
0 件のコメント:
コメントを投稿