「え、スケジュール間に合わないの? 何人追加すれば終わるの?」等と聴いてくる管理職が多いのではないか、と偏見まじりに想像しますが、これが機能しないのは、例えば人月の神話等で、もう30年以上前から言われている事で、ちっとも新しい事ではありません。各人の能力を最大限に発揮させられるチームをマネジメントすることは、大変難しく、奥深いものです。
一方で、ソフトウェアを開発するには、勿論、個々人の開発スキルが重要です。開発系のプラクティスも、達人プログラマーなどで美しくまとめられています。
今振り返ると、XPは、2000年初頭という時期にありながら、この両者で必要となるプラクティスの選択バランスが、最高に絶妙だったと思うわけです。
当時の開発プロセスと言えば、CMMを筆頭とする管理者向けの内容が多かった中、「開発の中心は人間だ」という大前提をまず冷静に認めた上で、管理に必要なプロセスと開発に有益なプロセスとを、チーム全体で目的を達成する為に、一つの流れに組み込んだバランス感覚は、今振り返ってみても、大変素晴らしいな、と感じています。
ScrumやLeanなどの実践が、ブームから日常へと一歩一歩、着実に歩みを進めるのは非常に心強く感じています。この進歩を、更に確たるものとするために、
XPの持っていたバランス感覚を大事にして行きたいな、と感じています。
なお、XP 2nd ed.は多少方向性が変化しましたが、それでも心にとどめて置くべき内容は(勿論)満載で、お薦めです。
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