2012/04/08

ReadyNAS Ultra6を試す

自宅ではNASとしてNETGEAR社のReadyNAS NV+を利用しています

AFP、NFS、SMB各プロトコルへ対応していること、MacOS XのバックアップシステムであるTime Machineの保存先としても利用できること、add-onをインストールすることでsshによるログインが可能になり、弾力的に運用できること、などが魅力です。

最近、そのNV+の上位機種であるReadyNAS Ultra6(RNDU6000)が比較的安価に販売されていた為、購入してみました。

個人的に注目しているNV+とUltra6との大きな違いは以下の通りです。

  • CPUがSparcからIntel Atom(Dual-core)へ。
  • X-RAIDがX-RAID2へ。
  • ディスクドライブが4台から6台へ。
  • RAIDレベルがRAID0/1/5からRAID0/1/5/6へ。

全体的なスペックの底上げが印象的です。

外箱の大きさ比較。二回り程大きく感じます。


構成物。NV+と変わりません。



NV+との大きさ比較。


Ultra6へは1Gバイトのメモリが標準で実装されていますが、NV+同様、増設をしてみることにしました。なお、メモリ増設はメーカの保証対象外ですので、ご注意ください。

搭載されていたメモリはDDR2 DIMM(PC2-6400/DDR2-800)。1Gバイトが1本の構成です。NV+ではDDR SO-DIMM(PC-3200/DDR-400)が使われていました。

交換に使用したメモリは、シリコンパワーのDR2-800(PC2-6400)2GBx2


Ultra6のメモリ交換は、NV+と比べてやや面倒です。外装を外す点はNV+同様ですが、更に基盤を引き出す必要があります。


基盤を止めているネジを外し、ケーブルを慎重に外します。


なお、基盤へは別途内部的にネジ止め固定されているライザーカードが刺さっていますので、抜き差しには十分な注意が必要です。

メモリ交換後はメモリテストを行います。方法は「ReadyNAS ハードウェアマニュアル」へ記載されています。該当箇所を引用すると以下の通りです。

1. 本来の電源を切ります。
2. ペーパークリップをまっすぐに伸ばしたものなどを使い、リセットボタン(背面)を押しながら、前面の電源ボタンを押して電源を入れます。
3. 有機 EL 画面に BOOT MENU と表示されたら、リセットボタンから手を離します。
4. バックアップボタンを押して BOOT MENU のモードを選びます。
5. 選択したモードで ReadyNAS を起動するには、もう一度リセットボタンを押します(すぐ に手を離します)。

今回は上記4.で、BOOT MENUから「MEMORY TEST」を選択します。

1日ほどテストを回したところ7回程パスしましたので、このメモリを使うことにしました。


無事4Gとして認識されているようです。


Ultra6の動作音はNV+に比べ、ややファンの音が大きいように感じます。但し、うるさいと感じる程ではありません。例えば室内でエアコンを稼働させた場合、ファンの音はエアコンの稼働音へかき消されてしまいます。

NV+とUltra6の速度差を比較してみました。

NV+のファームウェアは4.1.8、Ultra6は4.2.19です。ネットワーク接続はGbE、またNV+はX-RAIDによるRAID5、Ultra6はX-RAID2によるRAID6構成です。両NASで利用しているディスクドライブはほぼ同一構成で、5400rpmから5900rpmの混載構成となっています。

速度計測は、Intel Core2 Duo(2.8GHz)のiMac/MacOS X(10.7.3)から、両NASをmountし、ddで/dev/zeroからの1Gバイト書き込みに要した時間で行いました。

構成や計測手法が厳密では無い為、絶対速度自体は特に意味を持ち得ません。両者の速度差だけが注目点となります。何れも3回計測の平均値です。数値が小さいほど、早く書き込めたことを示します。


NV+:
  • AFP: 48.0sec (21.33Mbytes/sec)
  • NFS: 99.5sec (10.29Mbytes/sec)
  • SMB: 188.5sec (5.42Mbutes/sec)

Ultra6:
  • AFP: 17.3sec (59.19Mbytes/sec)
  • NFS: 15.1sec (67.81Mbytes/sec)
  • SMB: 108.0sec (9.48Mbytes/sec)

何れのプロトコルでも、NV+に比べ、Ultra6は大きく速度が改善されていることを確認できました。NV+では、やや速度面へ不満を感じ始めていただけにうれしい結果です。

実アプリケーションの利用環境でも、例えばTime Machineによるバックアップ速度などが大きく改善していることを体感できました。Time Machine稼働中はMac全体の速度が低下してしまう為、結果的に、Macの動作速度改善へも繋がりました。

発売当初に比べ、最近は大きな値引きが行われている点などからも、ReadyNAS Ultra6は、高速に動作する安定したNASを検討されている方へ、大変お薦めの製品だと思います。